私は日本文化の伝承ということを中心に活動しています。
「文化は食卓から生まれる」ということ。それは、食べることが人間の健全な精神と体を作り、
そして生きる術や道具をつくり、その食卓は人と人の輪、心の結びつきを作るからです。
それは、私が提唱する「きれい食21・六食理論」として表現し、食を通じて精神性も含めてお伝えしています。
私は、
祖母から金澤・加賀百万石の料理を小さいときから教わってきました。その祖母は大変厳格で、食事や作法・慣わしに関してとても厳しく教えられました。
そのためか、
私は若いころ、家という格式に反発して、乱れた食生活をしたためか肌の調子が悪く、艶が無く、自分に自信の無かった時がありました。
家族が見るに見かねて、ずっと古くから家に伝えられてきた手作りの鶏の卵の「卵黄油」をもってきて、「せめて、これだけは飲みなさい。ずっと代々、わが家に伝わってきた健康食だからね。
代々家に伝えられて作ったものよ。」と言って
私に飲ませたのです。それが、私にとっての元気の源と言っていいのか、元気を取り戻すだけでなく、肌艶もよくなったのです。
私は、その時に古き伝統の知恵の深さに思い知らされ、古き伝統の中に培われた食材の意義や生き物に接する先人たちの知恵を学ぶきっかけをいただきました。
それからは、金沢の老舗に出向き古文書を解読したり、食に対する作法や礼儀を学び、伝統料理の復元とともに、「武家の饗応膳」を現代に見合う伝統料理として創作しました。
今ではおかげさまで、海外からも、日本の伝統食、健康食を日本の食文化として紹介してほしいということで、招待されることも多くなり国内外に紹介しています。
また、「武家の饗応膳」の慣わしの中に、「饗応ご法度」なるものがあり、古文書を紐解き学びました。それは、次のとおりです。
きれい食21 饗応侍食御法度
一、 饗応の場において優先するは、気の礼である。
相手方を敬う最善の礼儀で在る。
一、 饗応とは、相手を理解し認め許し敬う
礼節の弁(わきま)えで在る。
一、饗応の場において君子の交わりは誉れ貴きことで在る。
各々方の見識と格式を以って臨む場である。
このような、日本人としての礼儀や慣わしを日本の文化・精神として表現し、日本の文化伝承と食育という観点から皆様にお伝えしています。
伝統文化は、料理のみにとどまらず、その入れる器や、道具、風情やしきたりにまで至ります。この内容を再現して、
日本の美しさを現代に表現するのが、私の使命でもあります。
多くの古美術をはじめ、饗応料理をご堪能ください。